個人型確定拠出年金のメリット・デメリット・リスク

個人型確定拠出年金(401k)で投資を始める前にメリットやデメリットについて確認しておきましょう。

 

ここでは個人型DCの利点やリスクについてまとめてみました。口座開設を検討している人は参考にしてみて下さい。

 

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個人型確定拠出年金4つのメリット

[1]コスト面で有利

確定拠出年金の場合、一般に販売されているファンドよりも運用管理費が低率になっていることが多くなっています。

 

また、ファンドの入れ替えを行う際、スイッチングのコストがかからない点も見逃せません。

 

[2]掛け金が所得から控除される

個人型確定拠出年金の最大のメリットとも言えるのが、掛け金が所得から控除されることです。

 

自営業者であれば最大で816,000円、勤務先に企業型確定拠出年金がないサラリーマンなら最大で276,000円を所得から控除することが可能になっています。

 

個人型確定拠出年金では受け取れる額は運用結果に左右されますが、課税所得が下がる分に関しては確実に利益を出すことができます。

 

ちなみにNISAの場合は、掛け金は所得控除されないので間違えないようにしましょう。

 

[3]運用中の利益は非課税

個人型確定拠出年金においては、運用している期間の運用益に関しては非課税となっています。

 

つまり運用益に関しては全額再投資にまわせるということです。これにより最大限複利の力を活用することができます。利益確定の時点で毎回課税されるのに比べて有利であることは言うまでもありません。

 

[4]受け取るときにも優遇措置がある

個人型確定拠出年金は原則として60歳からしか受け取れませんが、受け取り時には一定の非課税枠が使えるようになっています。

 

年金のように受取る場合には、雑所得として課税されるので公的年金等控除が適用されます。

 

また、一時金としてまとめて受け取る場合には、退職所得控除が適用されます。

 

さらに、一部を一時金として受取り、残りを年金受取にするなんてことも可能になっています。

 

 

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個人型確定拠出年金4つのデメリット・リスク

[1]原則60歳まで引き出すことができない

個人型確定拠出年金のデメリットの1つとしては原則60歳まで引き出すことができないということです。

 

急にお金が必要となった場合でも引き出すことはできないので注意が必要です。解約返戻金のような制度もありません。

 

たぶん確定拠出年金を始めるにあたって一番の心理的ハードルはこの60歳まで引き出せないことにあると思います。そうは言っても有利な投資優遇措置であることは間違いないので、どうしても抵抗がある場合は少額(5000円〜)からはじめてみるのも1つの手段だと思います。

 

[2]選択できる金融商品が限られている

運営する管理機関(金融機関)によって扱っている商品は異なっていますが、基本的には選択できる金融商品は多くありません。

 

「預金」「保険」「投資信託」などが一般的で、上場株式などの選択はできません。

 

そうは言っても、やはり金融商品が多く選択できることに越したことはありません。個人型確定拠出年金で金融機関を選ぶ際には、できるだけ金融商品の豊富&低コストなファンドが揃っているところ、あるいは投資したい商品があるところを選択するようにしましょう。

 

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[3]手数料がかかる

個人型確定拠出年金では制度利用にともない手数料が掛かります。

 

まず加入する時に国民年金基金連合会に2,777円、毎月の手数料として月額103円掛かります。(2016年7月時点)

 

また、金融機関の運営管理費などで月額数百円かかります。※金融機関によってかかる費用は異なります。私が利用しているSBI証券の場合、運用額が50万円を超えると運営管理費が無料となっています。

 

[4]特別法人税

個人型確定拠出年金には特別法人税(1.173%)というものが存在します。ただし、税金自体は存在しますがこれまで一度の個人型確定拠出年金で特別法人税が取られたことはありません。

 

現在、2017年3月末まで課税凍結が延長されていますが、今後はどうなるか予断を許さない状況となっています。

 

毎年1.173%税金が復活するようになったらかなり痛いですね。今後の動向に注意する必要がありそうです。

 

確定拠出年金の利用者をもっと増やしたいのであれば、早急にこの特別法人税の完全撤廃をするべきでしょう。特別法人税の凍結を延長し続けて、加入者数がある程度増えてから復活させるような後出しジャンケンだけは止めてもらいたいものです。

 

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老後資金を賢く増やすために積極的に投資優遇制度を活用せよ!

自分年金を作る上で「個人型確定拠出年金」や「NISA(ニーサ)」などは積極的に活用したい投資優遇制度であることは間違いありません。

 

投資資金が潤沢にあるのであれば個人型確定拠出年金とNISAの投資枠は目一杯利用するのが賢いやり方です。

 

私の場合、2014年度以降の投資戦略は以下のように考えています。

 

個人型確定拠出年金 ≧ NISA > 一般口座(特定口座)

 

NISAが始まるのをきっかけにしていろいろと投資戦略を考えてみてはいかがでしょうか。