日本の年金制度はどうなっているの?
日本の年金制度は、よく良く家に例えられることが多くなっています。国民年金(基礎年金)を基礎とした「2階建て」や「3階建て」構造などと言われています。
ここでは「自営業者(個人事業主など)」「サラリーマン」「公務員」「専業主婦(第3号被保険者)」の年金制度について見て行きましょう。
スポンサードリンク
各被保険者別の年金構造
自営業者(第1号被保険者)
階層 | 名称 |
---|---|
1階部分 | 国民年金(基礎年金) |
2階部分 | 国民年金基金確定拠出年金(個人型) |
サラリーマン(第2号被保険者)
階層 | 名称 |
---|---|
1階部分 | 国民年金(基礎年金) |
2階部分 | 厚生年金保険 |
3階部分 | 確定拠出年金(企業型)確定拠出年金(個人型)確定給付企業年金厚生年金基金 |
公務員(第2号被保険者)
階層 | 名称 |
---|---|
1階部分 | 国民年金(基礎年金) |
2階部分 | 共済年金 |
3階部分 | 職域加算部分 |
専業主婦(第3号被保険者)
階層 | 名称 |
---|---|
1階部分 | 国民年金(基礎年金) |
2016年5月に確定拠出年金法の改正案が成立しました。これにより2017年1月からこれまで確定拠出年金に加入できなかった公務員や専業主婦でも加入できるようになります。
公的年金に頼れなくなってきていることから、「税金を優遇してやるから各個人でしっかりと老後対策しろよ」という政府のメーッセージが感じられますね。
1階部分は日本国民共通だが・・・
1階部分である国民年金(基礎年金)は日本国民共通となっています。2階部分からは職業により様々な制度が設けられています。
3階部分に関してはサラリーマンのすべての人が加入している訳ではありません。それぞれ人によってケース・バイ・ケースになっています。ただし、公務員であれば職域加算部分は例外なく上乗せされます。
もちろん階層が高くなればなるほど、将来もらえる額は増える傾向にあります。
自分の年金は何階建て構造になっていて、将来いくらぐらいの年金が貰えるのかをしっかり把握しておくことが必要になってきます。
公的年金は10年で受け取れるようになる
年金を受けるために必要な加入者期間は25年以上となっていました。しかし、平成24年8月の「年金機能強化法」により、公的年金は10年払えばもらえるようになります。
予定通りに施行されれば、2015(平成27)年10月以降であれば、加入した年月に応じて受け取れるようになります。
国民年金の保険料額
2004年(平成16年)の制度改正により、国民年金の保険料額は2017年(平成29年)まで毎年280円の引き上げることが決定しています。
最終的に16,900円で固定される予定となっています。
年 | 保険料額(円) |
---|---|
2005(平成17年) | 13,580 |
2006(平成18年) | 13,860 |
2007(平成19年) | 14,140 |
2008(平成20年) | 14,420 |
2009(平成21年) | 14,700 |
2010(平成22年) | 14,980 |
2011(平成23年) | 15,260 |
2012(平成24年) | 15,540 |
2013(平成25年) | 15,820 |
2014(平成26年) | 16,100 |
2015(平成27年) | 16,300 |
2016(平成28年) | 16,660 |
2017(平成29年)以降 | 16,900 |
実際に支払う国民年金保険額の算出方法
私達が実際に支払う国民年金保険の額は、2004年(平成16年)の制度改正により決定した金額に賃金や物価の調整を行ったものになります。
そのため、物価や賃金の伸びにより保険額は多少前後することがあります。
国民年金保険料=2004年(平成16年)の制度改正により決定した保険料額×保険料改定率(※)
※保険料改定率=前年度保険料改定率×名目賃金変動率
国民年金3つの保障機能
国民年金には以下の3つの保障機能が備わっています。
一般的によく知られている、65歳から支給される年金のことです。
怪我や病気などで障害を負った場合に支給されます。
「18歳到達年度の末日までにある子(障害者は20歳未満)のいる妻」又は「子」に支給されます。
スポンサードリンク
各種年金制度の加入者数
厚生省調べによる各種年金制度の加入者数は以下の通りになっています。
名称 | 加入者数 |
---|---|
国民年金(基礎年金) | 6,775万人 |
国民年金基金 | 52万人 |
厚生年金保険(旧三共済、旧農林共済を含む) | 3,451万人 |
共済年金 | 441万人 |
確定拠出年金(個人型) | 13万人 |
確定拠出年金(企業型) | 421万人 |
確定給付企業年金 | 801万人 |
厚生年金基金 | 437万人 |
(平成24年3月末時点)